相続人の中に、海外在住者がいる場合
ケーススタディ
不動産の相続登記をする場合、一般的には、
①被相続人(亡くなった方)の生まれてから亡くなるまでのひと続きの戸籍を取得して
相続人が誰なのかを確認し、
②相続人全員が参加して遺産分割協議をおこなって遺産分割協議書を作成し、
③管轄の法務局に相続登記を申請します。
遺産分割協議書には、間違いなく相続人が参加して協議がおこなわれたことを証明するために、
本人が厳重に管理している実印を捺印し、その印鑑についての印鑑証明書をつけます。
では、遺産分割協議に参加する相続人の中に、海外に住んでいる人がいた場合、
相続登記はできるのでしょうか?
長期の滞在のため海外に住所を移すと、日本国内での住民登録がなくなり、実印の登録も
抹消されてしまうため、書類に捺印した印影が実印であることを証明する印鑑証明書の
発行が受けられなくなってしまうのです。
そういう場合の対応としては、次の二つがあります。
①居住国に存在する日本の在外公館(大使館・領事館)に出向き、領事の面前で
遺産分割協議書に署名し、それを領事が証明する【署名証明】
②一時帰国の予定がある場合に、日本の公証役場に出向き、公証人の面前で
遺産分割協議書に署名し、それを公証人が証明する【私署証書の認証】
ケースによってこれらの代替手段をとることにより、相続人の中に海外在住者がいる場合にも、
相続手続きを進めることができます。
詳しくは、お気軽にご相談ください。